過去記事1998-2002

依然として横行する偽札(2000年5月)

依然として横行する偽札


店員「これ受け取れない」
筆者「なんで?」
店員「この50元札、ニセモノ」
筆者「えっ、でも水印が入っているし、どう見ても本モノじゃない?」

※水印は中国語で「透かし」のこと


手で触っただけであまりにも自信満々そうなので、更に複数の店員に尋ねたが、やはり判定は「アウト」だった。それでも平然としている筆者と店員に、同行していた中国初めての日本人は「警察に届けなくていいんですか?それ、日本だったら大騒ぎですよ」と愕然としてしていた。


言われてみると確かに紙質が微妙に違うようだ。が、日頃人民元に慣れているつもりでもこの違いを短時間で判断するのは難しい。


「あっ!」その瞬間に前の晩の出来事を思い出した。お客と上海市内をタクシーで移動中、目的地まで到着する寸前の場所で、運転手が「ここで(タクシーを)下りて歩いてくれ」と言いだした。特に交通規制が敷かれている様子でも無く、案の定上海人典型のうぬぼれた輩が、ここを曲がると帰りが遠くなる等と理不尽な自己主張を宣った。


後部座席にはアテンドしている客を乗せていて、歩かせる訳には行かないので、多少強引に「お前はサービス業失格だ!」と激しい北方訛で捲し立て、言い返す運転手を論破し従わせた。こちらに凱歌が上がったと多少気分が良かったのもつかの間だったのだ。


言い争いで負けたフリをして、こちらが出した100元札へのお釣りにちゃっかり偽札を掴ませたのだ。うっかりしていたのだがレシートを貰っていなかったので後の祭りだ。


タクシー運転手なので上海人で無いかも知れないが、久しぶりに上海人の厳しさを1日遅れで再認識させれらた。100元札が偽札ではないかと常に疑う気持ちは当然刷り込まれていたが、50元札のことは完全に眼中に無かった。


やはり1999年末より市中に流通し始めた「新100元札」の影響か、偽造グループも手間暇のかかる100元札の偽造は諦め、まだ新札が発行されていない50元札の方にシフトしているのだろうか?


このことがあって以降、タクシーをおりる時に注意して見ていると、例えば50元の紙幣を客から受け取るときに、運転手は填めていた「手袋」を取って、必ず素手で受け取っている。彼ら自身の微妙な手先の感覚によってババを引かない様に防御しているのだ。


この一件で学んだことは、完全に安心出来ない場所で安易に高額紙幣を出し、お釣り特に50元札をもらうことは避けた方が良いということ。地元の人間の方が出張者よりも熟知している訳で、彼らが悪意を持って何かをしようとしたら防ぎようが無いことも実感した。

喜ばれるおみやげとは、その2(1998年9月)

現地の人には何が良いのか


東京以外の方には申し訳ないが、JR御徒町駅から徒歩2、3分の場所に「多慶屋」というディスカウントショップがあるのをご存じだろうか?


筆者は全く知らなかったが、数年前中国から来たお客をアテンドした際、地元でない中国のお客から「多慶屋」に案内してくれと言われ知った。中国語読みで言われた為、最初は何のことか判らなかったが、東京に出張した人からの口コミでいつの間にか「多慶屋」が有名になっているらしい。

実際に行ってみるとなるほどと納得した。店は家電、食品、家具、文房具、雑貨・・・ありとあらゆるものが売られている。しかも店は1軒ではなく「多慶屋○○号館」という風に通りを挟んでいくつも立ち並んでいる。さしづめ新宿西口のヨドバシカメラ、或いは蒲田のユザワヤといった感じだ。


そしてびっくりしたのは、店内のあらゆる案内に英語、中国語、ハングルが併記されていることだ。大陸、台湾、香港、韓国、アジアからの客が確かに多く、目を引き、沢山買い込んでいる。海外仕様の電気製品を始め、現地の人向けのおみやげは、ここに沢山のヒントがある。

中国のマーケット調査でも顕著に現れているが、中国の人は日本人よりもブランド志向が強いことを忘れてはいけない。



現地の人へのおみやげ具体例

現地の人が好みそうなもの、意表をついたおみやげを幾つかあげてみる。


◆コンドーム
以前は中国品が粗悪なため、品質の良い日本製はものすごく喜ばれた。
渡す相手によって微妙なアイテムである。


◆エプロン
こんなものと思われるかも知れないが、エプロン自体が無く(?)、意外に喜ばれるようだ。軽くて安くて良いかも知れない。


◆有名メーカーのロゴ入り記念品
SONYとかHONDAとかの名前やデザインがある記念品。 中国人のブランド信仰に合っていれば、安さは関係ない。


◆ファッション雑誌
日本ではどんな服装や髪型が 流行っているのかは女性の関心事だ。 駐在事務所の女性スタッフには一番かも知れない。写真を見るので日本語が判る判らないは関係が無い。


◆たまごっち
今はかなり安く入手できる。筆者は「たまごっち」に、はまった中国人を何人も知っている。この手の電子ゲームも良いかも知れない。


おみやげを渡す相手の中国人がビジネス上の客であれば、下手に単価の安いものは逆に「バカにされている」と思われるので要注意だ。


下記は筆者が今まで持っていっモノだ

 ・腕時計(セイコー製に限る)、女性モノなら最低でも10,000円以上
 ・通勤用のポータブルラジオ(5,000円程度か)
 ・ポータブルCDプレイヤー
 ・電子手帳(日本語の判る人に)
 ・ケース入りの日本人形
 ・コンパクトカメラ(使い捨てではない20,000円以上のモノ)
 ・電気カミソリ(20,000円以上のモノ)


因みに中南海(政府要人)や大きな商売の相手には「金塊」が最高のおみやげだと言う情報も一部筋からは聞いたたことがある。それから、18K金製品は中国人にとって殆ど価値がないので避けた方が良い。


運転手にもタバコ1カートン必須

中国出張で現地に着いてから、何故タバコをもっと買っておかなかったのだろうと必ず後悔する。タバコは非常に便利なもので、あらゆる場面で有効だ。宴会時でも、日常でも中国の人はタバコを吸おうと取り出すと、必ず周りの人間に自分のタバコを差し出して勧める。コミュニケーションの道具としての地位は揺るぎない。


直接の客に渡すことも大事だが、ここで運転手に渡すことを勧めたい。中国商売では運転手がキーになることが多い。中国ビジネスの経験のない方にとってはにわかに信じがたい話かも知れないが、例えば社長が乗る専用車の運転手は「副社長格」なのである。


筆者は以前中国側のお客を招待し宴会をする際、相手方の運転手に非常に気を遣った。お客が自分の専用車に乗って会場入りすれば、運転手は終わるまで待機し、お客を乗せ送り届けるからだ。相手先に複数の運転手がいる場合には、会場内に別に部屋を用意し、宴会の間そこで食事をとってもらうように手配した。時には円卓に同席させることもあった。


運転手の仕事は本来夕方主人を送り届けて終わりである。しかし宴会が夜になれば、ずっと待っていなければならない。


何故そこまでするのか?運転手は社長なりが車に乗っている間、社長自身が気づかない周辺情報を与え、時には助言もすることがある。また、何故専属運転手になったのかその背景を考えた場合、血縁関係があったりプラベートでは近い存在のことが多い。社長の運転手に対する部下の接し方をよく観察してみよう。運転手同士のネットワークもあり、そこから得た動きがキーパーソンにとって大きな判断材料になることがある。


決して相手の運転手を手なづけ諜報活動をせよと言っているわけではない。日頃から挨拶をする程度で構わないから、関係を良好に保って置くべきという趣旨だ。筆者には相手方の運転手を敵に回してしまい、運転手からキーパーソンに伝わる一言で、案件を不利に進めざるを得なかった苦い経験がある。

誰が決定権を持っているのかを見極めることが重要なのだが、運転手も直接ビジネスには関わらないものの、重要なポイントである。但し、キーパーソン以外の運転手をマークしても全く意味がない。

まずはタバコ1カートンをさりげなく渡すことによって、言葉が通じなくても、それ以降、運転手は渡した人間に対して気を遣ってくれるはずである。タイミングが難しければ、客本人に「あなたの運転手にも渡してくれ」と預けることでも構わないと思う。


1箱づつのタバコはおみやげとして意味がない。分けて渡すなどと言うセコイ考えは宴会の席だけに止めて、1カートンをドーンと渡すようにしたい。そのためには沢山必要だろう。なおタバコは日本製でも良いが、マルボロやケントなどが良いかと思う。


駐在員の運転手にはそこまでの気遣いは不要だが、仲良くなっておけば、何かあった時も助けてくれるに違いない。最後に「皆さんで分けて下さい」などという日本的な渡し方は、自分は低く見られていると誤解を受けるので、完全に逆効果であり絶対にやってはいけない。


喜ばれるおみやげとは、その1(1998年9月)

中国国内の状況、生活環境がここ数年で大きく変わってきていている。現地には電卓やチョットした景品をもっていけば良いなどという時代は既にトウの昔に終わっている。


大都会に住む駐在員(長期出張者)と地方に住む駐在員、そして現地の人別に生活環境を考え、如何に喜ばれるかを判断基準に最適なおみやげは何かを検証することにする。チョット大げさか


大都会の駐在員・長期出張者へ


インターネットの普及にによって、情報の収集能力が激変した。ほんの5年前、衛星テレビも無い(貧乏宿泊施設で設備がないという意味)環境で、ニュース情報を得るため必死に短波ラジオで NHKの国際放送を聴いたものだ。


日頃日本国内では絶対に聴かないであろう、NHKのど自慢なんかも聴いてしまった。(日本人の郷愁を誘う優れた番組であることが判ったので誤解のないように)


今では新聞サイトを始め、リアルタイムで日本の動きが判る。


しかしどうしても入手出来ないのが、ハードカバーの本や専門雑誌だ。北京・上海なら日本の新聞がその日に来るので、新聞の書評や本の広告は読むことができる。駐在員は情報をもっていて必ず読みたい本があると思われる。


本の選択は正直難しい。なぜならその人の嗜好がモロに出てくるからだ。自身の好みでない雑誌や本がわざわざ海を渡って来たとしても有り難くないだろう。


大都会では出張者の出入りが頻繁なので、いわゆるキオスクで売っている週刊誌のレベルは既に誰かが持ちこんでいると考えた方が無難だ。北京や上海にポストや現代を持っていっても強烈に喜ばれることはないだろう。日経ビジネスのような雑誌も定期購読している人が多い。


これはやはり事前に連絡を取って、読みたい本、特にハードカバーや文庫本が無いかどうか確かめては如何だろうか?相手が電子メールを持っていれば事前に聞いておくことも簡単で、多少のマイナーなものもオフィス近くの比較的大きな本屋で入手可能だ。


大都市の駐在員は単身赴任ではなく、家族で小さな子供がいる場合がある。この場合、子供向けの雑誌や絵本なんかも良い。少ない予算で大きな効果を生むことを念頭に置いた場合、雑誌や本は見逃せない。安っぽくならないように、同じ系統を2、3冊纏めて買っていけば完璧である。



何に飢えているのか?食と活字

活字と食事で見た場合、食事にはもう殆ど不自由がない。大都市なら日本食はもう何処でも食べることができる。下手にレトルトカレーなど持っていっても喜ばれない。また足りないだろうと思われる梅干しやふりかけ、缶詰など皆が思いつくようなものは効果が期待できない。


ではどう工夫すれば良いか?筆者はこれに日本の季節感を織り交ぜたものをお勧めする。駐在した人なら判るが、中国に長く住むと日本ほど季節感を感じられなくなる。この季節感を呼び起こさせるモノが良いと思う。ポイントは如何にタイムリーなものを持っていくかであり、値段は安くても構わないだろう。


例えば、秋の味覚、正月を意識した餅パック+あんこの缶詰+きなこ、といった具合である。これは各自考えると良いと思う。



地方の駐在員・長期出張者

地方の駐在員・長期出張者には何を持っていけばよいのか?これは単純に大都会の逆を張れば良い。活字と食事で言えば両方とも不足している。同じなのは、インターネットでの情報収集、大きなホテルでは NHKの衛星放送が視聴できるくらいか、この辺に差は無いと思われる。


地方では日本食レストランがまだ少ない。有ったとしても「正宗」(本モノ)ではないことが多い。特に内陸では生モノ系は皆無だろう。北京や上海経由で当日現地入りできる場合は空港で是非、ばってらやアナゴ鮨、鯖鮨のパックを持っていっては如何だろうか?決してにぎり鮨である必要はない。夏を外せば当日でも問題がないと思う。


フライトでも乗務員に無理を言ってリクエストすれば、冷蔵庫の様な場所に置いてくれる。この方法で上海に「納豆」を何個か持っていったことがある。


週刊現代やポストも泣いて喜ばれるだろう。当日入りならその日の新聞、スポーツ新聞も良い。なぜなら地方では当日に日本の新聞を読むことは出来ないからだ。この辺は新しいものを纏めて束にして持っていくのが効果的である。これも安上がりだが大きな歓びを持って迎えられるだろう。


地方都市の駐在員は殆どが単身者である。このことを念頭に置いて、その寂しさを癒す方向、日本との距離感を埋める方向でおみやげを選択するのが妥当だろう。

車の運転は危険(1998年9月)

今週発売された「週刊現代」の記事に、「8月2日ある報道機関の北京駐在員が帰宅途中、自ら運転中にタクシーと衝突事故を起こし、相手のタクシーの乗客が死亡、タクシー運転手が怪我を負った」とあった。真意の程は定かでないが、駐在員氏は酒を飲んでいたということで、北京の交通警察から取調中とのことだ。


1日に最低2、3件の交通事故現場に出くわすのが当たり前なほど、中国では交通事故が多い。特に、道路がある程度発達している都市ほど、スピードが出るため、ひどい事故に出くわすケースが多いように感じる。


北京ではこの1年、私用車が異常な勢いで増えた。ナンバープレートには北京を意味する「京」、その次のアルファベットが「C」の車は殆どがここ1、2年で登録された車だ。それだけ新しいドライバーも増えていて、自動車教習所には連日沢山の志願者が押し寄せる。決して取得費用は安くないし、まして税金の固まりである自動車はネットで日本よりも高価なのだが、相変わらず購入者は後を絶たない。ラッシュ時でもないのに異常なまでに道は混んでいる。


以前はプロのドライバーばかりだったのが、10年前のアジア大会で田舎俄(にわか)ドライバーが増え、更にこの1年で私用車の新参ドライバーが加わった。周りの運転技術、もっと言えば交通道徳など存在しないのが中国の現状である。


確かに国際運転免許を持ちこんで、簡単な登録をすれば(詳細は未確認故ご容赦頂きたい)、車を運転できる。しかしながら、殆どのケース日本企業の駐在員は車の運転を自社から許可されていない。理由は上述の通り、日本と比較しても非常に事故率が高いことにある。(交通部がはじき出した自動車単位台数当たりの事故率を日本のそれと比較した場合、30倍以上だという)また、駐在員が事故を起こした場合、処理が厄介になり、日本企業が嫌がる「会社に傷が付くパターン」になる。


会社もさることながら、飲酒運転で事故を起こして相手を死なせてしまうのは、たとえ、貨幣価値の違いによって十分な賠償が出来たとしても、道義的に許されるものではない。この駐在員は赴任したばかりだったそうだが、上司も管理責任を問われて仕方がないだろう。


加害者でなく、被害者になるパターンも多数ある。1994年末には大手商社の駐在員の乗った車が忘年会の帰路トラックと衝突し駐在員は死亡。駐在員は後部座席に乗っていたのだが、運転手も酒が入っていた。ただ乗用車の運転手は軽傷で済んだ。この違いは何か?駐在員は酔っぱらって寝ていて、とっさの受け身が取れなかったためではないか。


この駐在員は当時30歳そこそこ、生後数ヶ月の子供を残してである。助かった乗用車の運転手は専属運転手だったが、刑務所に入ったと後で聞いた。


中国ではタクシーでもバスでも車中で絶対寝てはいけない。それが命取りである。


やむを得ない場合以外、やはり中国では車を運転すべきでない。


危機管理 自らのパスポートを売る日本人の弊害(1998年10月)

出張者には気づかない増大する社会不安


とにかくひったくり被害が増えていると言う。不景気になるとひったくり犯罪が増えるというが全世界共通のようだ。 以下現地で聞いた具体的な事例を挙げる。


◎事例1(北京)


夜間、道を歩いていると向こうから人が道を尋ねてくる。
相手が地図を持っていて、地図を広げて道を説明しようとした瞬間、地図の中仕掛けてあった薬物を吸い込み一瞬激しい頭痛がする。その間に 金品を奪われる。または同じようにアンケートを装って近づき、何かの 薬物を仕掛けられてひるんだスキに金を奪われる。ヤルのは主に東北人 だという。 温厚な東北人が何故?だが、北の方は相当に不景気で仕事を失った人が大都 市に流れ込んでいるとのこと。当然仕事は無いので、日々の稼ぎもないため こういった犯罪に及ぶようだ。殆どが夜間に発生している。


◎事例2(北京)

車の走行中に前方に故障車を発見し、止まってくれとこちらに手を振る ので車を止めて様子を伺うと、複数の人間が勝手に車に乗り込んで来て、 車や金品を強奪される。 これでは親切に車を止めてあげたことが仇になる。 このケース、偶々3人ほどが乗車していて、後部座席のドアはロックされて いたため、犯人で侵入できたのは1人だけだった。車は急発進し離れたとこ ろで1人を車外に叩き出した。仮に相手が凶器を持っていたらお陀仏である。


◎事例3

お客と飲んだ後、店の前でタクシーに乗せたお客を見送り終わった瞬間 に複数の男に鞄をひったくられそうになり犯人と格闘。鞄は奪われなかっ たものの本人は鼻骨を骨折。 単純なひったくりだが、ある程度目を付けられていたようだ。相手が多数の 場合は完全にやられてしまう。


手の込んだ犯罪手法と事例から学ぶこと


最近の犯罪は非常に手が込んでいる。下記は筆者の知人が実際に間一髪体験 したことだが、その代表格だろう。


◎事例4(広東省)

人気の無い横断歩道に何故か人民元の札束が落ちている。横断歩道の反 対側から出てきた人間が辺りを気にしながら、自分の鞄にしまい込んで、 こちらの方に近づいてきて言う。「今、お前(一部始終を)見てただろ う、あっちにいって山分けしよう」少し離れた場所に連れて行かれ相手 が話を始めると、向こうからヤクザが猛然と突進してきて「お前たち、 俺の金をねこばばしただろう」と因縁をつける。すると「ねこばば」し た本人はさっきの金を押しつけ逃げてしまう。


濡れ衣を着せられて、強烈な因縁をつけられアリ金を巻き上げられる。 もちろんこの2人は「ぐる」である。 ヤクザまがいの人間が難癖をつけてきた時点で、筆者の友人はピンと来て全速力で逃げたため事なきを得ている。


お気づきかもしれないが、外国人だから狙われるという図式ではない。それだけ金を持っている中国人が多いことと、国内で貧富の差が激しくなってい ることが伺える。また社会が激しく変化しているため、それについて行けない人間が増えていることがはっきり判る。それだけ社会不安が増大する傾向 にあるということだ。


殆ど全ての犯罪が夜間に発生していて、夜間の単独外出は格好の標的になる。 無目的な外出、特に人気のない道への外出は控えるべきだろう。不審な動きには自分から関わらないことも重要だ。
出張先に駐在員がいれば最近の状況 をヒアリングするのも良い。 また筆者が以前から指摘している「中途半端な中国語が出来る故に被る犯罪 被害」があることに、今一度読者の注意を促したい。


相手が無差別に殺しにかかってきたなら確かに防ぎようがない。
ただ、犯罪 被害にある確率が千分の一ならば、それを一万分の一にする努力は誰でも出来るハズだ。


パスポートを売る日本人の弊害


信じがたい話だが、日本への密航をアレンジする組織「蛇頭」に自分のパスポートを売る日本人がいるという。 蛇頭と来れば、賢明な読者は筆者が何処で拾った話か察しがつくだろう。


日本で借金を抱えまくったいわゆる多重債務者が日本の黒社会に指示される まま中国に渡ってきて、提携先の蛇頭に自身のパスポートを売り債務の返済 に充てるという。値段は5万元程度で買い取られ、写真を巧妙に貼り替えた 後、日本にどうしても行きたい中国人たちに転売される。


売られたパスポートを持った中国人が無事日本に入国できた(勿論不法に) 時点で、その日本人は公安に紛失届けを出し、証明書をもらい領事館で再発 給を受け帰国する。そんな図式が成り立っていて、目的のないブラブラした 日本人が何人もいるとのことだ。


これだけなら真面目な出張者は何も関係が無いだろう。だが、最近そういっ た不良日本人の存在が原因で、公安はパスポートの紛失届けを受理した際、 本当に紛失したのか詳しく調査をするため、1ヶ月間は本人にその土地に留 まってもらう方針だという。公安関係者から聞いた話なので確度は高い。


つまり仮にパスポートを事故で紛失した場合、盗まれた場合、そういった人 間たちと一緒にされ、理不尽な足止めを喰らった上、出国出来ない可能性が あるのだ。一部地域に限定された話ゆえに大げさに書くつもりはさらさらな いが、パスポートの紛失にはくれぐれも注意願いたい。

危機管理 犯罪に巻き込まれないために(1998年9月)

スリグループ(窃盗団)の存在


過去に直接目の当たりにした事例を紹介しておく。


【ケース1・香港】


尖沙咀のペニンシュラホテルと科学館を挟んだ道の横断歩道を渡ろうとしたところ、車道の車が突っ込んで来たため、避けようと横断を止めたら後ろの人がぶつかってきた。お互いに申し訳ないと謝ってその場を立ち去ったが、被害者は後で貴重品をすられたと気がついた。


【ケース2・北京】


ある駐在員が日本食(居酒屋)レストランで食事中、自分の座ったイスにかけておいた上着の内ポケットから、見事に財布を盗まれた。目の前で知らない間にヤラレタわけだが、後で思い出すと隣のテーブルの知り合いと思われる人間たちが何人か通路に立ったまま話をしていた。


この店はホテル内にある日本料理ではなく、独立系居酒屋で客はローカルの人が殆どであまり綺麗な店とは言えない。場所はルフトハンザの近く。


ケース1、2ともスリグループ(窃盗集団)の仕業である。ケース1ではブレーキを踏んだ車の運転手と後ろからぶつかってきた人間がグルであり、ケース2では通路に立っていた複数の人間がグループだ。上着をイスに掛けた被害者本人の前には一緒に飲んでいた連れの人間がいたので、何か不穏な動きがあれば直ぐに気づきそうなものなのだが、視界を見事にブロックされていた。


被害金額は共に100,000円を超える大きなモノになってしまった。公安に届けようが、現金は保険では補償されない。当然の事ながら出てくるハズもない。


被害者本人が迂闊だった言えばそれで終わってしまうが、犯人はプロでしかもグループで動いているわけで巧妙だ。素人個人が防げるものでもない。如何にそのような人間たちにマークされないようにするか、この辺がポイントになる。


ホテル内は安心か?


都市部のそこそこのホテルならば、教育もサービスの意識も格段に進歩しているので、心配は無いと思われる。但し、ポケットに入る大きさの貴重品をベッドの上やテーブルに放置しておくのは絶対に避けるべき。


田舎のホテル、星の少ないホテルに宿泊した場合は要注意だ。部屋の中にいるのに服務員が用もなく勝手に部屋に入って来るのに何度か出くわしたケースがある。


使っていない(宿泊の無い)部屋に何人かの服務員が忍び込んで、電話を使ったり、酒盛りをしたという事例はいくつも聞いている。客に使われていない空き部屋と思って入ってくるのか、何かをするつもりなのかは判らないが、最近はまともになっていると思う。


人を疑うのは良くないと思われる方もいると思うが、それは日本の中で生活している場合であって、海外なら警戒にも警戒を重ねて損をすることはない。日本人ほどその辺がルーズで後で大騒ぎをする人種はいない。


セーフティーボックスは確かに安全だが、早くチェックアウト手続を済ませたい時など手間取るケースがあり利便性はあまり良くない。


部屋の中に金庫が用意されている部屋が沢山あるが、ホテルによって使い方がまちまちであり、巧く使えない場合もあるのでお勧め出来ない。パスポート、現金、T/Cなど貴重品は鍵のかかる自分のトランクの中に入れておき、鍵を携帯するのが取り敢えずは現実的な気がする。外部からの本格的?窃盗団でも無い限りホテルの部屋からトランク毎盗まれることは、まず無いのではと思う。


ノートパソコンも貴重品同様に管理には十分に注意したい。盗まれないまでも、弄られておかしくなっては大変である。

駐在員や長期出張者がヤラれる?

単純なポン引きに引っかかる人は少ないと思うが敵もさるモノ、一度目にそこそこ信用させ2回目で地獄の底に突き落とすパターンがある。


当然ポン引きとの出会いは街中で、巧妙に声をかけるのだが、中国語が出来ない出張者ならこの誘いには乗らない。これにはまってしまうのは、中途半端な中国語が出来るレベルの人間達だ。具体的には現地駐在員や長期出張者、現地での生活に慣れ、中途半端に言葉が判るが故に、まんまとはまってしまう。


そこそこのサービスのカラオケ(勿論小姐がいる)に連れていき、リーズナブルな料金で済ませる。そして2回目にボッタクルという極めて巧妙な手口だ。安心している分だけ、メニューに値段があるかなどの基本的チェックを怠るのだ。


スリに遭った被害者も、実は長期滞在者が多い。生活を始めた当初は環境に慣れていないので、神経を使うのだが、何も起こらなくだんだん日本と同じではないかと思い始める。自戒の念も込めてだが、これは慢心以外の何者でも無い。


スリ被害をを防ぐためには


基本中の基本だが多額の現金は持ち歩かない。


食事中、鞄やバック、上着は絶対にイスの後ろにかけない。上着は貴重品を抜いて目立つどこかに掛ける。


パスポートを携帯しても、あまり使う場面がない。パスポートはホテルの部屋に鍵のかかるトランクに入れて置く。非常用にコピーなどをとっておき財布にでも入れておけば良い。


などは必須と思う。


海外旅行傷害保険加入のススメ


盗難や急病など予想もしないことが起きてしまってからでは遅いので、出発前には海外旅行傷害保険に加入しておくことを勧める。特に盗難に関しては、携行品保険があるので、何かしら盗まれても何とかカバーできると思う。


帰国後の保険金の求償だが、盗難に関しては中国公安の盗難証明が無くても、周囲の人間が事実を証言(文章)で十分に被害が認定される。


証明を貰おうと思っても、よほどの中国語力が無ければ、公安の調書作成に対応出来ない。即ち事故(被害)証明も出ないと思われる。


外国人が被った被害証明書の作成、受取は別の場所に出向かなければ行けないから(上海の場合は漢口路の公安外事課、北京の場合は日壇路?)、短期間の滞在で時間を割くことは困難だろう。


破損に関しては帰国後の修理見積書で保険金額が決まるので、それほど心配することはない。


但し、損保会社が設定しているいわゆる「パック」に入る必要は全くない。保険の掛け金が高いだけで不必要と思われる項目も一緒になっており、必要な項目だけに対し、保険金を設定すればかなり安くなる。また年に数回出張する人であれば、長期で海外旅行傷害保険に加入しておいたほうが、毎回いちいち心配しなくても良いし、保険料も割安になる。


下記は筆者が契約しているパターンだ。


傷害・死亡高度障害 1000万円: 2260円
傷害・治療費用 200万円: 1550円
疾病・治療費用 200万円: 7190円
携行品 30万円: 3710円
救援者費用 250万円: 870円
賠償責任保険 1000万円: 130円

合計 15,710円


保険期間は5ヶ月(何故5ヶ月かは後述する)、おそらくセットの傷害保険でこんなに低い設定は無いと思うので、びっくりする読者もおられると思う。が、500万も 600万も加入しても、実際に満額支払われる訳ではない。中国ならこの程度で十分なのではないか。この保険で掛け金が一番高いのは疾病・治療費用だ。これが全体のかなりの金額を占める。

最近始まったのだが、6ヶ月以上の長期契約の場合、疾病・治療保険料(掛け金ではなく、受け取りベース)が有る一定金額以下では契約出来なくなってしまった。この部分が大きくなれば、保険料の掛け金も大幅にアップする。そこで期間を6ヶ月未満に設定すれば、 200万円程度の低い保険料設定も可能である。