国際ローミングの落とし穴

現地携帯の隠れた利点とアウェーの国際ローミング(2006年4月)

相手に迷惑にならないよう、現地では中国の携帯番号を持つ。つまり中国で携帯を買えばいい。そして旅行者や出張者でも買えるプリペイド携帯があるというところまでを話を進めた。


中国に限らず渡航先のローカル携帯番号を使うメリットは他にもある。


チョット話題がずれるがこんな場面を思い出して欲しい。大晦日の夜、紅白歌合戦や格闘技中継が終わり、NHK「行く年来る年」から流れるお経や除夜の鐘を聴きながら、新年に切り替わる瞬間を。


ものすごい数の人が一斉に「あけましておめでとうコール」をするため、携帯を使い出す。電話をしたことのある人はわかると思うが、「只今おかけになった地域への通話は・・・」などのアナウンスが流れ、何回トライしても携帯は繋がらない。


もうひとつ、一昔前の話で懐かしいが、人気アーティストのコンサートチケットを取るために、朝10時ちょうどから「チケットぴあ」の特番に電話をかけまくっても、結局話し中にもならず、無情なアナウンスをずっと聞かされ、諦めた経験は無いだろうか?


これらは「通話規制」と呼ばれ、特定の時間帯やエリアで沢山の人が一斉に電話を使い始めた場合、交換機や回線がパンクしない様に、携帯事業者やNTTが発信や着信に規制をかけることを云う。


全ての人が24時間中携帯を使うワケではないので、同時に繋げることのできる通話数は、携帯電話の実数より相当低くなっている。


実はこれと同じ事が海外で携帯を使う時にも現れる。


例えば、相当に混雑している場所の代表格は、空港そして広州交易会などの大規模な展示会場だろう。今の時代なら、そこにいる殆どの人は携帯を持っている。


極端に人が集まり混んでいる状態で、しかも携帯で連絡を取り合う可能性も高い場所、この様な時はやはり通話規制がかかりやすくなる。


これは中国に限らず他国でも全く同じなのでよ~く憶えていて欲しいのだが、特定のエリアや時間帯で携帯の通話が混んでいる場合、携帯電話会社は「通話規制」をかける。更に自社つまり自国の携帯回線を優先的に繋ぐ。


えっ、全部自社の携帯回線だろ? 通話規制なんてどうかけるの?
尤もな疑問だが、前回までのコラムを思い出して欲しい。


そう、「国際ローミング」で入っている自国以外の携帯がある。中国移動通信のスタッフからウラを取っているので断言するが、回線が混雑している場合、国際ローミング携帯の接続優先順位を下げて(つまり通話規制をかけ)、自社の携帯回線を優先的に繋ぐのだ。


国際ローミング(つまり日本から持って行ったボーダフォンやauやドコモの国際サービス)では肝心な時に繋がらない可能性がある。


海外用レンタル携帯サービスの会社が、くどいくらいに「現地携帯は繋がりの心配がありません」と宣伝している理由が、これで解って頂けたと思う。


「いつものケータイ」をそのまま海外で使うメリットは計り知れない。だが、この様なこともあることを憶えておいて頂きたい。特にビジネスの途中でトラブルが起きたら、取り返しの付かないこともあり得る。


もし「いつものケータイ」の繋がりやすさや通話コストが現地携帯並になるのであれば、最強ツールと認めざるを得ない。

海外ケータイで相手に迷惑をかけない方法とは(2006年4月)

前回までの内容は、090や080の携帯を中国で使うと、目の前に居るのに日本に国際電話させ、相手に迷惑をかけてしまうということだった。


それを防ぐのは簡単、相手に国際電話をさせないようにすれば良い。


つまり、相手がかけてくれる時に国内電話扱いで済む様に、あなたも中国の携帯番号を使えば、迷惑をかけないということになる。


そう、中国の携帯を買う、中国の番号を持てば良いのだ。意外にあっさり買えるので一度試してみては如何だろうか。


中国のどんな地方都市でも、繁華街なら携帯電話ショップが軒を連ね、広告がバンバン目に飛び込んでくる。中国でも携帯は日常生活に完全に溶け込んでいるのが判るだろう。


しかしどの店でも携帯の値段は結構高い。日本でよく見かけるような、1円ケータイとか無料ケータイは目にすることはない。何故かと言うと、中国では新規加入で回線と携帯電話機を抱き合わせで安く売るという習慣がなく、それぞれバラバラに売っているため、極端な値引きが無い。


日本では店が新規加入の客を獲得すれば、携帯会社から店に対し間接直接を含め何らかのキックバックや奨励金が出る。店はそれを見込んで激安の価格を設定しているわけで、1円で売っても損はしていない。中国では奨励金もキックバックも無いから、一番安い携帯でも1万円弱、最新の高性能モデルなら10万円以上はする。


回線は「SIMカード」と呼ばれるチップを渡され、そのチップを携帯電話に差し込むことで初めて番号付きの携帯電話として機能することになる。


日本でも最近になってやっと回線と電話機を分離する「SIMカード方式」を取り入れ始めた。例えば、ボーダフォン3G携帯では、新規加入時にお店でSIMカードをくれるので、見たことのある人も多いだろう。


例えば携帯電話機の中に入っているSIMカードを別のSIMカードに取り替えると、その電話機は別の電話番号になってしまう、SIMカードには電話帳リストなどを登録でき、番号情報そのものと言って良い。


さて、携帯の契約方法にも大きく分けて2種類ある。月額料金のかかる後払い方式(ポストペイド)と料金前払い方式(プリペイド)だが、前者は出張者・旅行者では加入が難しい。現地の定まった住所も無いし銀行口座も無いからだ。これは日本でも同じ。例えば新宿のヨドバシカメラで、日本の携帯を買いたいと外国人旅行者が来ても、売ってくれないのと同じことだ。


しかし後者のプリペイドなら1000円も出せば、その辺で気軽に買える。今のところ買う際の身分証明は要らない。(注:2006年中に中国でも本人確認が実施され、登録の無い番号は停止されるという情報もあるので注意)


購入したプリペイド式のSIMカードを携帯電話機に差し込むことで使える様になる。前払いの通話料はリチャージカードを買って、そのカードにあるナンバーを携帯電話から登録する仕組み。これは日本のプリペイド携帯と全く同じ要領だ。ガイダンスは英語か中国語なので、どちらも判らない人は誰かの助けが必要になる。


気になる通話料だが、発信・着信が1分20円程度でauグローバルパスポートの180円と比べる格段に安い。格安の国際通話サービスなら、日本にかけても1分60円程度。これも1分175円するボーダフォンと比較すれば相当なお買い得価格となる。


結局のところ、現地の携帯を買うのに1万円チョットあれば済む。1年に何回か中国へ行く機会があるのなら、この方法が手っ取り早いし、直ぐに元は取れるだろう。090や080の携帯を中国に持って行く人でも、現地のプリペイド携帯を併用することによって、総額では安く上がる可能性がある。


現地に行ってから買うことが不安な人は、割高だが日本国内の業者から買う手もある。もちろん、携帯電話機とプリペイドのSIMカードは別売りなので、検索する際には注意して欲しい。]


090や080とは違う「現地携帯」を使うことで、お互いが中国の国内料金となり、少なくとも中国に居る相手には迷惑がかからなくなる。中国国内へかける時も、090携帯を使う場合と比較して、通話料が事実上1/3以下になるので、かなりの節約になる。


日本からかける相手は、国際電話になるから、却って割高じゃないかと反論する人がいるかも知れないが、今のご時世、日本から発信する国際料金はガンガン下がっていることにも注目して欲しい。


因みに筆者が現在、固定と携帯の両方で使っている国際電話サービス(ネット電話ではない)は24時間均一で中国までは1分9円なので、日本国内の携帯にかけるより、むしろ中国にかけた方が安い。国際通話サービスは多種多様で、一度調べてみることをお勧めする。


旅行で行くならプリペイド携帯で十分だろう。だが、ビジネスや出張ともなれば不便なことが幾つかある。そして実はプリペイドにも何種類かあり、使うブランドによっては面倒な場合もある。

いつものケータイ、この本当の意味(2006年4月)

前回は、090や080の携帯を中国へ持ち込む場合、着信に気をつけるということだった。そして実はもう一つ大事なポイントがある。


それは「着信」だ。


着信は着信でも「自分にとっての着信」、つまり同時に相手にとっては「発信」となる。「自分にとっての着信」、これで相手に迷惑をかける可能性があるということを今回はお伝えしたい。


旅行でも出張でも構わない、あなたが中国へ渡航した時、持って行った携帯で通話する相手を3人くらい思い浮かべて欲しい。その一人は日本で留守番中の家族だろう。


では、中国国内に居る相手と連絡を取り合う可能性は無いだろうか?
日本人、中国人の区別は無く、中国に滞在する人ということだが、きっと居ると思う。


例えば、それは空港に出迎えに来きくれるローカルスタッフだったり、現地に住んでいる友人だったり、或いは時間差で先に出張している同僚だったり。


この人達からあなたの携帯に電話がかかってくることを思い浮かべた時、どうやって電話をかけるか想像して欲しいのだ。


番号は 090 の・・・・えっ、ここは中国? それでかかるの?


日本からは電話をかける人は、そのまま090や080のままでOKなのは知っているけど、中国内からかけてもらう場合は、どうするのだろう?


そう、ここが大事なポイントになる。


例えば、北京に住んでいる友人から、中国へ到着したあなたに連絡を取る際、友人はあなたの携帯にかけるために、日本へ国際電話をしなくてならない。


090や080携帯は日本の携帯であり、中国へ持ち込んでも電話番号は変わらないし、中国の携帯番号にいきなり変わる事はない。何処に行こうが090や080のままだ。


日本の国番号が81なのはご存じだろうか?日本の電話は国番号81を背負っていて、海外から日本へ国際電話をかける場合、日本の国番号81が必要になる。


つまり中国国内から日本(の090携帯)に国際電話をかけようと思えば、


00 81 90 XXXX XXXX  ※最初の00は中国の国際通話コード


というダイヤル方法が必要となる。これはあなたが中国に居ようが、日本に居ようが、「国際ローミング」の090や080携帯を使っている限り、この方法以外では繋げようが無い。


たとえあなたが中国に居たとしても、極端な話、相手の目の前に居たとしても、相手には国際通話の料金を支払わせてしまう、つまり通話料を沢山使わせることで、相手には迷惑をかけるという図式となる。


日本国内の携帯から国際通話する場合は、一部を除きKDDIとかの国際電話会社へ申込が必要だが、これは中国でも同じだ。中国発の国際通話料はあまり安くなく、諸物価と比べたらかなりの高い水準にあるので、多くの一般中国人の携帯は国際通話の申込をしていない(=国際通話が出来ない様になっている)可能性がある。


国際通話になるため、直ぐ目の前の携帯にもかけることが出来ないというワケだ。仮にOKだとしても、相手には中国から国際電話料金がかかるばかりか、自分自身の090携帯には、高額な着信料金がかかることになる。(着信料金は前回コラム参照)


簡単な連絡や短い通話なら、それでイイかもしれない。だが、いつも短く済ませられるとは限らないし、それでは連絡ツールとしての携帯の意味が無いかも知れない。


090や080携帯を海外で使う時には、是非このカラクリを十分理解した上使って欲しい。そうすれば、やはり便利な携帯である。


では、相手にも迷惑をかけず、自分も安く上げる方法はあるのか?

国際ローミングというしくみをもっと理解する(2006年4月)

日頃使っている090や080の携帯が、海外でもそのまま使えるのは非常に便利で有り難い話だ。このサービスが登場する以前は、面倒なレンタルを利用したり、現地で手配したりと非常に面倒だった。


これを解決するのが携帯電話の「国際ローミング」という仕組みだ。


簡単に表現すると、自分の携帯が海外でもそのままの番号で使えるようになること。最近なら「シームレス」といった方が良いかもしれない。


今回のテーマは「国際ローミング」、この仕組みは便利で非常に有り難い反面、これが諸刃の剣であることにも是非注目して頂きたい。


2006年明けの記事国際生活センターからのリリースで、国際ローミングで思わぬ高額料金の請求があったとか、この手の情報はかなり出回っているので、ご存じの方も多いと思うが、中国に限らず日本の携帯を海外で使う際の「国際ローミング」という仕組みをもっとよく理解しておく必要がある。


我々の常識では、電話を受けた場合には料金はかからない。固定電話でも携帯電話も無料だ。だが、海外で携帯を使う場合、この感覚でいると大ケガをしてしまう。


携帯電話会社のパンフレットやカタログ、ウェッブサイトなどで調べれば直ぐに判るが、ボーダフォンやauなど日本の携帯を中国(海外)で使う場合、着信料がかかる。そう、電話を受けた方にも課金される点だ。しかもその額が半端な額ではない。


例えば、ボーダフォンを中国で使い、電話を受けた場合、1分70円の通話料がかかる。auのグローバルパスポートなら180円だ。5円や10円の話なら、フフ~ンと受け流せるだろうが、そうでもない。


あなたが日頃携帯で話す通話時間は、何分位だろうか?長電話する人もいるだろうし、パッパっと用件だけ済ませる人もいるだろう。

日本で10分話しても無料なのが、中国で使うとボーダフォンの場合700円(auグローバルパスポートの場合1800円)、20分話してゼロ円なのが中国では1400円(auグローバルパスポートの場合3600円)かかる。


パッパッと済ませる人も実は安心ではない。実は分単位の課金なので仮に1秒でも1分の通話と同じ料金(ボーダフォンの場合は70円、auグローバルパスポートの場合180円)がかかる。


緊急用或いはお守りで持って行って、結果使わなかったなら、それはそれでハッピーだ。だが、恐ろしいのは海外に出掛けていることを知らない友人や取引先から、バンバン電話がかかってきて、一瞬海外にいることを忘れ長話をしてしまった時だ。翌月の請求額が幾らになっているのか、中身を見た瞬間、震えが来たり目眩に襲われるかも知れない。


勿論、あえて日本の携帯番号を持って行く人もいる。それは主に仕事などで、商売上どうしても日本にいるお客さんからの電話を受ける必要が有るケースだ。


中国に持って行く携帯は日本の番号のままなので、相手は普通に090や080の携帯宛に電話をかけるだけでイイ。つまり相手は国際通話をする必要が無い。この様に十分理解してあえて使うなら便利だし、何も問題はないだろう。


そして、日本の携帯を中国で使う場合、もう一つ大事なポイントがある。